二条エリアは、794年の平安京遷都以来、宮廷や武家の拠点と近接する地域として発展しました。天皇の住居である大内裏(だいだいり)があるなど、歴史的にも重要な位置にあります。江戸時代に徳川家康が築いた二条城は、将軍上洛時の宿所や大政奉還の舞台として知られています。その周辺は武家屋敷や町人地として整備され、町家や碁盤目状の街路が形成されました。明治時代には二条城が皇室の離宮となり、「元離宮二条城」として現在に至ります。また、周辺は文化人などが居住するエリアとしても栄え、今日に至るまで伝統と文化が色濃く残っています。
二条駅周辺は、近代以降の京都の交通拠点として成長したエリアです。1897年に京都鉄道の駅として開業し、昭和初期には嵯峨野方面や丹波地方と京都市内を結ぶ重要な鉄道拠点となりました。かつての駅舎は洋風建築の風格ある佇まいで知られ、現在は梅小路公園内の「京都鉄道博物館」に移築保存されています。鉄道の発展とともに商店や住宅が集まり、市街地として拡大。にぎわいと共に「元離宮二条城」などの文化遺産も身近にある、落ち着いた雰囲気の街並みとなっています。